豆知識

消毒の定義とは?きちんと意味を知ろう

 新型コロナウイルスが蔓延しはや二年が過ぎ去りました。新しい生活様式になって以来、至る所で殺菌や滅菌の文字を目にします。しかし、そのきちんとした意味は?と聞かれたら答えられない人も少なくないはずです。本稿では、消毒とは?という質問に皆さんが答えられるよう、その意味を解説していきましょう。

 まず、菌やウイルスを殺したり除いたりするのを意味する熟語は以下のようなものがあります。

  • 滅菌
  • 消毒
  • 殺菌
  • 不活化
  • 除菌

 また、細菌の増殖を抑制する意味の語は以下のようになります。

  • 防腐
  • 静菌

 これらは一見同じようなものに思えますが、きちんとした定義が存在し、それぞれ意味は異なります。ここからは一つ一つ確認していきましょう。

滅菌

 すべての微生物を殺滅あるいは除去することで、非常に厳密です。このため感染力を有する微生物が検出されてはいけません。通常は専用の設備を用いて行います。

消毒

 有害な微生物などを死滅あるいは不活化させることで、感染力をもつ病原体を減らしていくことを指しています。滅菌との最大の違いは、非病原性微生物が対象物に残っていても良いというところです。よく知られている煮沸はこれに該当します。理由としては、一部の微生物が煮沸しても死滅しないためです。

殺菌

 微生物を死滅させることを言います。しかし、その程度を問わないため、滅菌など程厳密な概念ではありません。その定義から、日常でみかけることが多いです。また、この用語は主に細菌や真菌に対して用いられるもので、ウイルスには用いられません。 

不活化

 上記の殺菌とは逆にウイルスに使われる言葉で、ウイルスの感染力や毒素の毒力を失わせることを言います。

除菌

 液体や気体から、フィルターなどで微生物を取り除くことを言います。

続いて、増殖の阻止に関する用語を解説していきます。

防腐

 微生物の増殖を阻止し、食物などの敗をぐことを意味します。防腐剤を使う以外にも冷凍したりするなどの手段によっても達成できます。

静菌

 微生物の増殖を阻止することそのものです。

あとがき

 いかがでしたか?これらの用語は、意外にしっかりした定義があるのです。意味を知っていれば、日常生活で見かけた時は「ああ、これはこういう意味かあ」と合点がいくと思います。消毒液と縁が切れないコロナ禍を、正しい知識と共に過ごしていってくださいね。